『リアル』戸川清春フィギュアへの想いと覚悟
原型師 鈴木剛が語る『リアル』戸川清春フィギュアへの想いとは・・・
2023年7月『リアル』戸川清春フィギュアの発売にあたり、原型師鈴木剛にこの作品に込めた思いや苦労したところなど話してもらいました。
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5年前くらいから構想を練り、ようやく商品化となりました。商品化の経緯は作品の面白さはもちろん、車椅子バスケットボールは井上先生も応援されているし、パラスポーツの周知拡大に一役買うことが出来れば…という思いもありました。
実際の車いすバスケットボールは、ものすごくハードでスピーディなスポーツでした。パラスポーツというよりも格闘技を見ているような気になったので、いちスポーツとして気負うことなくその動きを表現したいと思いました。作っていくうちに車椅子に乗っている設定で躍動感を出すことは思ったよりも難しく感じ、原作のようなスピード感や臨場感を出すのには結構試行錯誤しました。
また、顔はあまり怖くなりすぎないように「目ヂカラは強いけど、怖くならないように」目の表現もだいぶ悩みましたね。
車椅子はできるだけリアルに表現したかったのですが、細いが故に強度を出すのが課題となり、設計にはかなり時間がかかりました。
でもこの試行錯誤の甲斐あって、一瞬の動きを切り取る「Style in the Moment」にふさわしい商品になったと思っています。
シリーズを通して、ずっと思っていることですが、一体一体思いを込めてきちんと作ると言うことを強く意識しています。やらせていただける限りはキャラクターを守る使命感を持って、キャラクターを汚さないように…という覚悟で作っています。皆さんに是非手に取って頂きたいと思います。
(鈴木剛)
(2023年6月)